「アレックス」「ふたりの人魚」「天安門、恋人たち」「スプリング・フィーバー」「パリ、ただよう花」感想
(ネタバレを含みます)
「アレックス」
監督:ギャスパー・ノエ
途中からこの映画の構成がわかってきて、物語が遡るほど、目が離せなくなってきた。事件の前と後で男二人の関係性が逆転しているような気がするのも面白い。アレックスが、自分の未来を予知していたこととか、妊娠していたこととか、後から、もう手遅れになってから知る方が悲しみとか衝撃が強いのかも、と思った。その時は何も知らずに観ていたという罪悪感みたいなものだろうか。以下、四作品すべて
監督:ロウ・イエ
「ふたりの人魚」
ロウ・イエ作品を一気に観ましたが、これが一番ファンタジックで好き。色んな結末を想像しながらみた。ふたりのヒロインが可愛くて謎めいててとても魅力的だった。主人公以外が多くをしゃべらない感じが好き「天安門、恋人たち」プールの深いとこと浅いところの境界線で主人公が座っていられなくなるところが本当にその気持ちがわかる気がしてむずむずして叫びだしたくなって一番好きなシーンです。「スプリング・フィーバー」拒絶から入ったけど観終わったらみんなのこと好きになってた作品。「天安門、恋人たち」にも自殺した人がいたけど、こんなに苦しいんだから、死んだ方が確かに楽だよなーと思ってしまう。だからこそ、その死も乗り越え苦しさの中を生きてる人たちが、強く、生きるパワーみたいなのを感じる。生き方はどうであれ、生きてるだけでかっこいいと思ってしまう…命がけで人のことを愛しているからなのかな。あとやっぱり私は女装した男性をかっこよく思ってしまう傾向があります。「パリ、ただよう花」さいきん、行方不明のパリ在住日本人女性と殺人容疑のチリ人男性のニュースがよくやっているから、なんとなくかぶせて妄想してみてしまった。花はずっと微笑んでて、正直何考えてるかわからなくて、まさにただよっていた。ただ、愛してるとか好きとかって、意味わかんないし説明できないものなんだっていうのがすごく伝わってきた。別れるって言って気付いたら同棲してたり、奥さんがいるって知って初めて泣きながら愛してるって言ったり。途中まで、ホアがどういうつもりでマチューとやってるのか、誰でもいいのか、わからなかったけど、本当に彼を愛してしまったんだなというのが痛いほど伝わってきました。不思議なのは、下手したらヤリマンとかビッチで片付けられそうなのに(アバズレは言ってたか…)、そうは思えなかったというか、そういうのを超越して、本能のままに生きてるって感じがした。それは、このロウ・イエ監督の作品に出てくる人、特に下三本全てに感じた。おわり
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