2016年10月22日土曜日

「シャンドライの恋」「ピアニスト」感想

(ネタバレを含みます)



「シャンドライの恋」
監督:ベルナルド・ベルトルッチ

終わってみると、長ーい短編を観た、という印象。
音楽の対比が気持ちの対比を表現してるみたいで素敵だった。対比から、コラボレーションへ。
私は、ハリーポッターシリーズが大好きだったので、ルーピン先生がキンスキーというだけで、もう全てがかっこよく見えてしまって、実際だったら気持ち悪く思える行動も、この人だったら許せてしまう、寧ろ受け入れてしまう、と思ってしまった。最初から受け入れ気味だったから、更に素晴らしい行動をしていて逆にいたたまれない気持ちになった
本能のまま相手とぶつかれていたらどんなに楽なのかな。理性と本能の葛藤と、相手を思いやる気持ちがお互いすれ違っているのがとてももどかしかった。
終わり方が好き。
希望と絶望?夢と現実?
夫も本当に愛してるんだよ、わかる、でもこの人のことも愛してしまったんだよね。それもわかる。それはこの作品でどっちか決めるかなんてしなくていいと思ったから。


「ピアニスト」
監督:ミヒャエル・ハネケ

こういう作品があって本当によかったと思っています。私もこんな作品に出たい。
周りからみたらなんてちっぽけなんだと言われるかもしれない、でも自分にとっては自分を形成してきた中で枷になっていた障害物があって、それはこの作品では母親だけど、母親のことは愛してる。大切に思ってる。捨てるなんてできない。でも負荷。言えない、だって嫌だけどやっぱり好きだから。
そういうありふれてそうだし何も問題は無さそうだけど何か抱えてる人って多いと思います。
そういう人が世間体とか、母親から見える「自分」というものを保つための秘密があるのは当然と思いたい。特に性的に、見ていて痛ましいくらい屈折してる秘密、衝動。
その衝動を放ってしまうことで、私にとってはある意味ハッピーエンドに思えた。
ただ、それでもエリカは最後まで葛藤し続けていた様に見えたから、そこはエンターテイメント性も少なく限りなく現実的で悲しくなった。


おわり

2016年10月20日木曜日

「エレファント」「息もできない」感想

(ネタバレを含みます)


「エレファント」
監督:ガス・ヴァン・サント
ドキュメンタリー。ドキュメンタリー番組よりも演出とか説明がないのではないか。
最後あのまま何の後片付けもなくエンドロールになって、虚しくて、最初観始めたときより強くもう一度あの日常とあの人々に会いたいと思った。
メインの男の子を主犯でもなく被害者でもなくただ遅刻してきた子なのが面白いと思った。みているこちらもどちらかに偏らない見方をしてしまうというか…


「息もできない」
監督:ヤン・イクチュン
「KOTOKO」でもCoccoがやっていたけど、サンフンもやっていた、タバコの煙を輪っかにするやつ、見てたら出来るようになりたくて練習したら気付いたのが、息もできなかった。こういう行為からも感情が生まれるのかな。
最初は救いのない話に思えて辛かったけど、過去の呪縛から少し解き放たれて、気持ちが変わっていったことに救いを感じた。
ヨンジュだけがなんかかわいそう。なんであんなにこじらせてしまったのか、理屈ではわかるけど描写では彼だけあまりわからなかった。
最初は好きじゃないかもと思って見てたけど、終わってみたら好きでした。

おわり

2016年10月18日火曜日

「マディソン郡の橋」感想

(ネタバレを含みます)


監督:クリント・イーストウッド

メリルストリープの笑い方、真似したい。
あの出会いから一気に燃え上がって一生の愛になるのはすごいなと思った。現実的なロミオとジュリエットみたい。
大事なものがたくさんあると、冒険はできないのかな、と思った。

おわり

2016年10月15日土曜日

「血と骨」感想

(ネタバレを含みます)


監督:崔洋一



人間とは、命とは、生きていくということとは、そういった根っこにあるものをダイレクトに感じさせてくれる映画でした。

今まで在日朝鮮人の歴史やしきたりや現在とかは気にしたことがなくて、差別は「はだしのゲン」とか読んで昔のことだと思っていたし、当たり前のように、自分と変わらないもしくはハーフみたいな存在だと思い込んでいた。自分はいたって普通の日本人だから何もわからない。でもつい最近今年に入ってからたまたま複数の出会いがあり、自分が知らなかったことを聞いて興味を持ちはじめていたので、そういった意味でも勉強になったしとても面白かった。

きっと飢餓感?危機感?ギリギリのところで生きてる人たちだからこそ、人間の生々しさがビンビン出てくるのだなーと思った。

生きるために
食べる、逃げる、逃げない、ごまかす、怒る、強がる、殴る、媚びる、裏切る、叫ぶ、暴れる、
幸せになるために、楽になるために
生きる、死ぬ、殺す…

人間ってこうなんだと思いました。


晩年、金俊平が息子に「好き勝手やってきたんだから勝手に死ね」みたいなことを言われたあとの間が、哀愁があって、印象に残っている。それまでのことを全て許してしまうような瞬間だった。


おわり

2016年10月12日水曜日

「Wの悲劇」感想

(ネタバレを含む可能性があります)


監督:澤井信一郎

感想とはズレてるかも。。。
この映画に関しては、未だに客観的にみれません。
私は13歳の時に、初めてオーディションというものを受けました。
その二次審査か三次審査の演技審査のひとつが、この「Wの悲劇」の「顔…ぶたないで…私、女優なんだから」でした。(私は「時をかける少女」の台本を選んでやりましたが…)
その時は全然何もセリフの深さとかその一言を言う人の人生とか考えてなかった。セリフをどれだけ感情こめて言うかとか、そのシーンだけを考えていた。だから、セリフの少ないこの台本はやめて、もうちょっとセリフの多い台本を選んだ記憶があります。それはやっぱり違うな、と。

当たり前のことなんだけど、改めて俳優とは、役を生きるとは何か、そして自分が女優を目指して最初に踏み出した日を思い出させてくれる映画です。

いまみると、三田佳子の圧倒的存在感、"女優"にやはりゾクゾクしました。

おわり

「カッコーの巣の上で」感想

(ネタバレを含みます)

監督:ミロス・フォアマン


ジャックニコルソン、小さい時に観たバッドマンのジョーカーで怖いイメージが強くて、初めてこの作品を観た時は同一人物とは思えなかった。かっこいい。かっこよすぎる。それしか今の自分には言葉が見つかりません。

見終わった後にやり場のない気持ちを叫びだしたくなる映画。希望もみえるけどなんだか悲しくて悔しくて。
この映画は、病院のシステムとか婦長の存在とか敵の存在が割とはっきりしているけれど、同じ精神病院が舞台の「17歳のカルテ」という映画、これも好きなのですが、みる人や時期によって自分の共感できる立ち位置が変わるような気がする。同性だからか、現代に近いからなのか。


おわり

「ジョゼと虎と魚たち」感想

(ネタバレを含みます)

監督:犬童一心


昔観た時はとても胸が苦しくなった記憶があるけれど、改めて見たら、どこにでもある二人のひと時の恋を切ないけど、でも前向きに平和に描いている作品に思えた。どこにでもあるという言い方は語弊があるかもですが、とても共感しやすい、という意味が近いです。
主役二人と、クセのある脇役たちのバランスがよかった。登場人物ほとんどに共通して言えるのが、最初の印象があまりよくないけど気づいたら愛してしまっているところ。
それは、みんなそれぞれの苦しみや悲しみが垣間見えて、それを乗り越えた強さとか生き方なんだとみてるこちらが気づくからでしょうか。
登場人物のある一人だけが薄ぼんやりしてみえた。なんかふわふわしてた。バランスを考えて、あえてなのかな?でも観ていてちょっとぱずかしかった。これかも、私の課題、と思った。


おわり