「シャンドライの恋」「ピアニスト」感想
(ネタバレを含みます)
「シャンドライの恋」
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
終わってみると、長ーい短編を観た、という印象。音楽の対比が気持ちの対比を表現してるみたいで素敵だった。対比から、コラボレーションへ。私は、ハリーポッターシリーズが大好きだったので、ルーピン先生がキンスキーというだけで、もう全てがかっこよく見えてしまって、実際だったら気持ち悪く思える行動も、この人だったら許せてしまう、寧ろ受け入れてしまう、と思ってしまった。最初から受け入れ気味だったから、更に素晴らしい行動をしていて逆にいたたまれない気持ちになった。本能のまま相手とぶつかれていたらどんなに楽なのかな。理性と本能の葛藤と、相手を思いやる気持ちがお互いすれ違っているのがとてももどかしかった。終わり方が好き。希望と絶望?夢と現実?夫も本当に愛してるんだよ、わかる、でもこの人のことも愛してしまったんだよね。それもわかる。それはこの作品でどっちか決めるかなんてしなくていいと思ったから。「ピアニスト」
監督:ミヒャエル・ハネケ
こういう作品があって本当によかったと思っています。私もこんな作品に出たい。周りからみたらなんてちっぽけなんだと言われるかもしれない、でも自分にとっては自分を形成してきた中で枷になっていた障害物があって、それはこの作品では母親だけど、母親のことは愛してる。大切に思ってる。捨てるなんてできない。でも負荷。言えない、だって嫌だけどやっぱり好きだから。そういうありふれてそうだし何も問題は無さそうだけど何か抱えてる人って多いと思います。そういう人が世間体とか、母親から見える「自分」というものを保つための秘密があるのは当然と思いたい。特に性的に、見ていて痛ましいくらい屈折してる秘密、衝動。その衝動を放ってしまうことで、私にとってはある意味ハッピーエンドに思えた。ただ、それでもエリカは最後まで葛藤し続けていた様に見えたから、そこはエンターテイメント性も少なく限りなく現実的で悲しくなった。おわり
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