2016年11月23日水曜日

「パッション」「スライディングドア」感想

(ネタバレを含みます)


「パッション」
監督:メル・ギブソン

キリスト教とか、宗教、神の存在というのは日本人で無宗教の私にとってとても難しい存在だと思います。
だから、ただただ素晴らしい人が痛い目にあい、見てるこちらも痛く、辛く、周りはひどく、それでも救われる、という知識と情報で感想は言えるけれど、それだけでした。悔しい。



「スライディングドア」
監督:ピーター・ホーウィット

同じヘレンなのに、電車に乗れたか乗れなかったかで、浮気現場を見たか見てないかで、これだけ生き方が変わるのかとびっくりした。怒りや悲しみや悔しさは人に活力を与えてくれることもある!
色んな映画があって、心えぐられたり考えさせられたり衝撃を受けたりするけれど、観終わった後に、自分も頑張ろうって前向きな気持ちになれる映画はやっぱり大切だと思います。ヘレンに寄り添って観ることができる、愛せる人でした。

おわり

2016年11月22日火曜日

「ザ・トライブ」「こわれゆく女」「ナイトクローラー」感想

(ネタバレを含みます)


「ザ・トライブ」
監督:ミロスラヴ・スラボシュピツキー

観ていてだんだん自分も耳が聞こえない感覚になってきた。
聞こえる人が一人もいない世界だと、別の世界の生き物のようにみえた。目で見える情報が最初だから、驚きとか、衝撃が、いきなりくるんだなと思った。何か気配を感じて、足音を聞いて、振り向いて、殴られるとかじゃなくて、目に入ってすぐ殴られるというか。
疑いとか曖昧さが少なく感じた。ストレートにまっすぐに生きている気がした。




「こわれゆく女」
監督:ジョン・カサヴェテス

メイベルは少女のように素直でまっすぐで繊細な人だと思った。それがそのまま主婦になって大人になったら色んなズレが起きて何かがおかしくなってしまうのかな。だから二人きりの時とか、子供だけといる時は、とっても幸せにみえた。
いい妻であり母でありたいという想いと、周りの冷たい目と、夫から求められる像とに心がもみくちゃにされていく感じがすごく伝わってきて、泣きそうになった。すごいなあ。



「ナイトクローラー」
監督:ダン・ギルロイ

面白かった。面白かったけど、最後の最後でちょっと落胆しました。何かを犠牲にしたり、罰が当たると思ってたから。犠牲は払ってるけど淡々としすぎて目標に向かっていて、計画通りで、それはそれでかっこよく魅力的なのだけど、ここまで完璧なら落ちるとこもみたかったと思いました。
シーズン2とか作ってほしいです。



おわり

2016年11月20日日曜日

はらぺこペンギン!「鬼ヶ島平八郎一家の乱!」

2016/11/9〜13

@ 下北沢駅前劇場

遅ればせながら、全公演終演致しました。

改めまして、出会いをくださった皆様、呼んでくださった劇団員の皆様、支えてくださったキャスト、スタッフの皆様、応援してくれた皆様、そしてご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。


泉だよーん!

(青い衣装は久保田沙織さんが作ってくださいました!♡)
わたしは髪型だけでも、と思って毎日必死で巻き巻き。生きていた時代に流行っていそうな髪型にしてみました。けっこうこの髪型と衣装を印象に残してくださる方が多くて嬉しかった。

そう、故人でした。
最初は謎の人でしたが、実は鬼ヶ島家の娘で、平八郎のお母さんでした。


初めての幽霊役。
死んだことないから、現世の未練がたっぷりで、無視されるのが辛くて寂しくて(笑)、とても難しかった。

でも死後の世界がこう明るかったらいいな、とか、大切な人を亡くしていてもきっとこうやって見守ってくれてるんだよね、ってお客さんに思ってほしいなーなんて思いながら泉になってました。



奔放な性格はやっぱり鬼ヶ島の血をひいてるのかな。



事実だけを並べていくと、暗く切ないお話にもなりうるこの「鬼ヶ島平八郎一家の乱!」

それが、お客様にみてもらって、こんなに温かく笑える世界になりました。

改めて作演出の白坂さんは本当にすごい人なんだなーと思いました。

(数少ないツーショット発見!)

そしてその白坂さんの思い描く人々をまさにそのまま体現してる劇団員はじめキャストの皆々様!
本当に面白かった!すごいなー。

舞台写真を撮ってくださった石澤知絵子さんが作ってくれた写真!







この集合写真すごい好き!
仲良しーって感じの本人たちよりも
それぞれ役のキャラクターとか関係性がみえてくるから。




たいがさんが作ってくれた一升瓶。気づいた人いるかな?
ぺんぎん仕込み桃太郎、申狗雉

すごいこういうの好き!!


個人的には、演劇の街下北沢で、初めての公演。一つ目標が叶いました。
ありがとうございます。




いつものように書き出すと書ききれないので、この辺で。。。


お世話になった皆様へ、感謝と愛を胸いっぱいに、本当にありがとうございました!!
今後とも末永くよろしくお願いいたします。

福永理未


2016年10月22日土曜日

「シャンドライの恋」「ピアニスト」感想

(ネタバレを含みます)



「シャンドライの恋」
監督:ベルナルド・ベルトルッチ

終わってみると、長ーい短編を観た、という印象。
音楽の対比が気持ちの対比を表現してるみたいで素敵だった。対比から、コラボレーションへ。
私は、ハリーポッターシリーズが大好きだったので、ルーピン先生がキンスキーというだけで、もう全てがかっこよく見えてしまって、実際だったら気持ち悪く思える行動も、この人だったら許せてしまう、寧ろ受け入れてしまう、と思ってしまった。最初から受け入れ気味だったから、更に素晴らしい行動をしていて逆にいたたまれない気持ちになった
本能のまま相手とぶつかれていたらどんなに楽なのかな。理性と本能の葛藤と、相手を思いやる気持ちがお互いすれ違っているのがとてももどかしかった。
終わり方が好き。
希望と絶望?夢と現実?
夫も本当に愛してるんだよ、わかる、でもこの人のことも愛してしまったんだよね。それもわかる。それはこの作品でどっちか決めるかなんてしなくていいと思ったから。


「ピアニスト」
監督:ミヒャエル・ハネケ

こういう作品があって本当によかったと思っています。私もこんな作品に出たい。
周りからみたらなんてちっぽけなんだと言われるかもしれない、でも自分にとっては自分を形成してきた中で枷になっていた障害物があって、それはこの作品では母親だけど、母親のことは愛してる。大切に思ってる。捨てるなんてできない。でも負荷。言えない、だって嫌だけどやっぱり好きだから。
そういうありふれてそうだし何も問題は無さそうだけど何か抱えてる人って多いと思います。
そういう人が世間体とか、母親から見える「自分」というものを保つための秘密があるのは当然と思いたい。特に性的に、見ていて痛ましいくらい屈折してる秘密、衝動。
その衝動を放ってしまうことで、私にとってはある意味ハッピーエンドに思えた。
ただ、それでもエリカは最後まで葛藤し続けていた様に見えたから、そこはエンターテイメント性も少なく限りなく現実的で悲しくなった。


おわり

2016年10月20日木曜日

「エレファント」「息もできない」感想

(ネタバレを含みます)


「エレファント」
監督:ガス・ヴァン・サント
ドキュメンタリー。ドキュメンタリー番組よりも演出とか説明がないのではないか。
最後あのまま何の後片付けもなくエンドロールになって、虚しくて、最初観始めたときより強くもう一度あの日常とあの人々に会いたいと思った。
メインの男の子を主犯でもなく被害者でもなくただ遅刻してきた子なのが面白いと思った。みているこちらもどちらかに偏らない見方をしてしまうというか…


「息もできない」
監督:ヤン・イクチュン
「KOTOKO」でもCoccoがやっていたけど、サンフンもやっていた、タバコの煙を輪っかにするやつ、見てたら出来るようになりたくて練習したら気付いたのが、息もできなかった。こういう行為からも感情が生まれるのかな。
最初は救いのない話に思えて辛かったけど、過去の呪縛から少し解き放たれて、気持ちが変わっていったことに救いを感じた。
ヨンジュだけがなんかかわいそう。なんであんなにこじらせてしまったのか、理屈ではわかるけど描写では彼だけあまりわからなかった。
最初は好きじゃないかもと思って見てたけど、終わってみたら好きでした。

おわり

2016年10月18日火曜日

「マディソン郡の橋」感想

(ネタバレを含みます)


監督:クリント・イーストウッド

メリルストリープの笑い方、真似したい。
あの出会いから一気に燃え上がって一生の愛になるのはすごいなと思った。現実的なロミオとジュリエットみたい。
大事なものがたくさんあると、冒険はできないのかな、と思った。

おわり

2016年10月15日土曜日

「血と骨」感想

(ネタバレを含みます)


監督:崔洋一



人間とは、命とは、生きていくということとは、そういった根っこにあるものをダイレクトに感じさせてくれる映画でした。

今まで在日朝鮮人の歴史やしきたりや現在とかは気にしたことがなくて、差別は「はだしのゲン」とか読んで昔のことだと思っていたし、当たり前のように、自分と変わらないもしくはハーフみたいな存在だと思い込んでいた。自分はいたって普通の日本人だから何もわからない。でもつい最近今年に入ってからたまたま複数の出会いがあり、自分が知らなかったことを聞いて興味を持ちはじめていたので、そういった意味でも勉強になったしとても面白かった。

きっと飢餓感?危機感?ギリギリのところで生きてる人たちだからこそ、人間の生々しさがビンビン出てくるのだなーと思った。

生きるために
食べる、逃げる、逃げない、ごまかす、怒る、強がる、殴る、媚びる、裏切る、叫ぶ、暴れる、
幸せになるために、楽になるために
生きる、死ぬ、殺す…

人間ってこうなんだと思いました。


晩年、金俊平が息子に「好き勝手やってきたんだから勝手に死ね」みたいなことを言われたあとの間が、哀愁があって、印象に残っている。それまでのことを全て許してしまうような瞬間だった。


おわり