2016年10月4日火曜日

「ビフォア・サンライズ」感想

(ネタバレを含みます)



監督:リチャード・リンクレイター

これが欧米の美男美女じゃなくて、日本人のシャイな九州と東北の2人が京都で会うんだったら、全く違うちょっと笑える雰囲気になるかなあとか考えながら最初は観てた。
前半は、見守ってるような気持ちになるくらい二人の探り合いとかお互い興味もってるけど距離保ってるみたいなのがリアルで、表情とか、相手のことまだ知らないから初めて聞くことにちょっと時間かけて咀嚼して自分の意見言うとことか、そういうのがとてもリアルで、あいのりとかテラスハウス見てるみたいな変なソワソワ恥ずかしいようなドキドキするようなキュンとするようなまっすぐ見れないけどのぞき見してるみたいな気持ちにさせられた。

私は英語がほぼわからないので、字幕なしだと基本ずっと楽しそうに時にロマンチックな雰囲気で歩きながら喋り続けているようにみえるのだけど、それくらいさらっと二人は会話し続けてる、けど話してる内容はけっこう真面目な話をしてた。自分の境遇、思ってること、思想、正直にぶつけあっていた。そういうのがとても素敵に感じる
夜、レストラン?喫茶店?で(二人が友達に電話ごっこしてるとこ(あのシーン好き))、色んなお客さんの会話の描写がある。話してる内容はわからないけど、同じように思いもよらないことを話してる可能性もあるなって思った。怖そうな人ほど優しかったりするし、騙してるように見えて愛してる場合もある。かもしれない
この映画で出てきた手相のおばさんや詩人、バーのマスター、怪しげにみえて意外と温かい人たちばかりだった。改めてだけど、表現する見た目や言葉(セリフ)とか気持ちとかと、「どう見えるか」「どう見せるか」は違うんだなって思った。
悲しいことを悲しそうに言わない!辛いことを辛そうに言わない



最初はお互い洗練された美男と美女にみえていたけど、終わる頃には初恋をしている二人にみえて、子供たちを見てるみたいに愛おしく見えていた
それはセリーヌからみたジェシーの、その逆も然り、お互いがお互いに対する心境の変化をそのままみているこちらも共有させてもらったような感じです。
でもあの二人は一晩だけだからよかったのだと思います!忘れたくない夢です。セリーヌが最後列車で寝たときに、あ、目覚めた時セリーヌは記憶もおぼろげになって夢だったのかもって思うかもなーとすごく切ない気持ちになりました。



おわり

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