2016年10月8日土曜日

「エンター・ザ・ボイド」感想

(ネタバレを含みます)

監督:ギャスパー・ノエ


ちょうど8月に、3.14chの「大型」という作品を舞台でみていて、主人公のレズの女の子がクスリ、失恋、死、チベット死者の書の死後の流れを通して未練を捨てられず、失恋した相手の女性の子供として生まれるという終わり方だったので、内容に難解さを感じず見ることができた。逆にこの世界観に驚きや新鮮さを感じることができず、世界映画祭レベルの映画と小劇場のナマモノの比較として観てしまった。

映画館で音と映像を堪能したい映画だった。
ずっと夢の中にいる気分にさせられた。
ドキュメンタリーぽい人々と非現実な設定、映像のバランスが面白いと思った。

けど、あまりみていてザワザワすることはなかった。
クスリを扱う映画をみるのはけっこう好きで、経験したことないからかもしれないけど、クスリが効いてきた人の恍惚感とか、そういう人のセックスとか、廃人になっていく姿とか、そういう人に一種の色気を感じるのか、ドキドキして目が離せなくなってしまう。そういうのを期待していたのかもしれない。
あまりにも淡々と進んでいくのでぐっと引き込まれるシーンがなかった。いきなり事故シーンになったり、悲痛な叫びとかはびっくりはするけれど、引き込まれるとは違ったかも。

世界観はとても好きだけど、俳優としてこの映画に出るとしたら、この世界観を邪魔せずにその役自身の魅力を出して観る人にみせるのはとても難しいことだと思った。


おわり

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